2007年3月14日

弦高の変動など2

コントラバスで驚くのは、一見したところ、木材の伸縮を吸収する仕掛けが見当たらないことだ。ロワバウツの巾は70cm位はあるから、その1%(弦高の変動など1参照)は7mmにもなる。

無垢材の家具では、繊維が直交するような接合をする場合、伸縮を吸収するため接合部が動けるように作る。もちろんガタガタでは機能が果たせないので、密着はしているが伸縮方向には動けるようにする。蟻型の溝の中を材料がスライドできるようにしたり、木ネジの穴を長穴にする。接着は部分的には出来るが、全体を接着してしまうことは出来ない。

ところが、コントラバスを含む弦楽器では、全ての接合個所は膠(にかわ)で接着されるので、動く余地が無い様に思える。今まで「長年シーズニングをした十分に乾燥させた材で製作しているので、伸縮は無視できるのかもしれない」と自らを納得させていた。無理やりだ。伸縮を無視するにはコントラバスは大きすぎる。人生晴れの日もあれば、雨の日もあるというのに。

長年疑問に思っていたのだが、最近読んだ物に、フラットバックの裏板の「たわみ」についての記述があった。それで、伸縮は「たわみ」で吸収しているのだろうとようやく思い至ったわけである。言われてみれば至極当然で、周知のことなのかもしれない。筆者にはとても新鮮で驚きだったが。

この「たわみ」が「弦高が湿度で変化する」ことに影響与えているのではなかろうかというのが、今回の主旨である。それでは、影響を与えている仮定して、どのように影響を与えていると考えられるだろうか・・・
ようやく話が弦高に戻った。

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