2007年3月24日

弦高の変動など4

「弦高の変動など3」までの考えをまとめると、

湿度が高くなると、
・表板は、弦高が高くなるように
・側板は、弦高が低くなるように
・裏板は、弦高が低くなるように
それぞれ動くと思われた。

弦高が高くなる方と低くなる方の両方の要素があるので、湿度が高くなると弦高は高くなるのか低くなるのかは分からない。それにこれらの話は実験で確かめていないから、あくまで机上の話(しかも定性的な)でしかない。湿度が高くなると本当に楽器のアーチが高くなるのか、測定してみなければ分からないことだ。それに、実際の条件はもっと複雑だ。これまでの話では、表板や裏板の外周は側板によって固定されていると仮定してきたが、側板自体薄いので実際は変形しているかもしれない。表板と裏板は材質も違うし、何といっても表板にはf穴という穴が空いている。

しかし、楽器が無垢の木で製作されているのは事実だ。無垢の木で製作されている以上、材料の伸縮を吸収する仕組みが必ず必要だ(と思う)。もし、楽器のアーチがその役目を果たしているとすれば、驚く事だし、とても優れたデザインと言えると思う。しかも、弦高に対しては、互いに相殺するような機能があって、湿度の変化に対して弦高を一定に保つ働きをしているのではなかろうかと想像するのは、飛躍が過ぎるだろうか?

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