2007年3月13日

クロスバーの接着など


フラットバックの楽器の裏板には、クロスバーと呼ばれる桟が入っている。
ご存知の通り、木材の伸縮率は繊維方向と繊維に直交方向では異なるため、クロスバーのように繊維を直交させた接合は伸縮によるストレスを受けやすい。クロスバーの端が浮いてきて、ノイズが出るような事もある。

クロスバーの端が少し浮いたくらいなら、表板を外すような事をせず、f孔からの作業で済ませたい。「本格的なレストアは頻繁には出来ないから、将来一流の人に徹底的にやってもらう時まで小修理で乗り切りたい」のである。こういうやり方は特に地方では現実的な解だと思う。

膠を流しこむだけでもノイズは止まると思うが、圧締出来た方が接着強度が出るし、小修理とは言え、出来るだけの事はしたい。上下のクロスバーはf孔から遠いので圧締するのは少し骨だ。内部に押さえの板を入れて、f孔から丸棒で押す方法を考えてみた(写真)。これだと楽器を載せている作業台と押さえの板の間にのみ圧締する力がかかるため、他の部分にストレスがかからない。

圧締の方法には、他に魂柱の様なつっぱりをかませて押さえる方法もある。ひょっとしたら素晴らしく便利な専用のクランプが存在しているのかもしれない。

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