2007年5月16日

裏板と湿度

まもなく梅雨だ。

フラットバックの楽器では、先に書いたように、裏板の伸縮を反りで吸収している。湿度が高くなって裏板が伸びる時には、クロスバーがその動きを止めようとするので、裏板には圧縮力がかかる。外見上は、裏板が膨らんでくるように見えるだろう。圧縮力である分には、直接割れにはつながらない。

しかし、逆に乾燥した時には、縮もうとする裏板をクロスバーが止めようとするので、引っ張る力がかかる。この時引っ張る力が材料の強度を超えると、裏板は割れてしまう。湿度による木の伸縮を止めることはできないから、裏板の割れを避けるためには、裏板が最も縮んだ状態で、クロスバーを接着すれば良いと言う事になる。つまり、最も乾燥した時期(裏板が最も縮んだ状態の時)、或いは湿度が低く管理された条件の中で行うのが良いという事になる。

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