2007年6月4日

モード・チューニング(モード・マッチング)2

楽器の振動モードについて、簡単に説明する。日本語の用語や筆者の理解が適切でないかもしれないので、お気づきの方はご指摘頂ければありがたい。

A系列のモード(A0, A1)は、楽器の中の空気の振動モードで、容積や箱の強度によって決まるピッチである。B系列のモード(B0, B1)は、楽器の構造自体の振動モードである。TPはテールピースの全体の振動モードのピッチを示している。ちょっと小難しくなってきたが、先に書いたように、とにかく今着目するのは、B0, TPである。

まず、B0は、楽器本体の構造による振動モードで、単純に言えばネックと指板の振動モードである。振動のイメージとしてはネックの付け根を中心に指板の駒側の端と、スクロールが振れている感じだ。実際には楽器のボディ側も振動しているので、B0を測定するには、上ナット部分をヒモで結び、コントラバス全体を宙吊りにして、指板の端をタップするという。

筆者が実際にやってみたケースでは、楽器を宙吊りにしても、エンドピンを床につけて楽器を垂直にそっと支えた場合でも、それほどB0のピッチに変化があるとは思えなかった。ヴァイオリンと違い、コントラバスは空中に支えて演奏するわけではないので、楽器を垂直に立てて、ノードとなるネックの付け根をそっと支えて、指板の先端をタップしてピッチを確認する位でも良いのではないだろうか。

今までの経験では、B0のピッチは5弦音域のCからE辺りにあることが多かった。このピッチは、弦の種類(弦のテンション)を変えても変わるし、指板を延長したりエクステンションを付けたりして指板/ネックの重さを変えることによっても変化する。

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