2007年6月20日

気乾含水率

充分年月をおいて乾燥させた木材でも、木材は水分を持っている。
木材中の水分を重量比で表したものを含水率という。大気中に木材を放置すると、徐々に乾燥して含水率が平衡状態に達する。この時の含水率を気乾含水率という。
気乾含水率に達するのは、材料の厚みや地域にもよるが、数ヶ月から1年はかかるという。

問題は、気乾含水率は地域によって異なるということだ。日本では15%前後である。ところが北米(カリフォルニア)では8%前後だと言う。楽器の形をしていても木材は木材だから例外ではないわけで、北米から日本に楽器を持ってくると、8%から15%になろうとするわけである。

この話は大雑把なところが二つあって、一つは、これが屋外の話だということである。誰も楽器を屋外に放置したりしないから、本当は屋内の状況を調べなければいけないはずだが、24時間365日完全に空調で管理された場所で無い限り、傾向としては似てると考えて良いのではないだろうか。
もう一つは、木材は乾きやすく湿気にくい性質を持つ事だ。直感的に言うと、湿気を取りこむ速度より、湿気を放出する時の方が速度が大きいのである。8%の材が本当に15%まで変化するかは筆者には分からない。ただ、楽器の材料はとても薄いので、湿度の変化に対する耐性はあまり無いように思われる。

「北米から持ってきた楽器でも1年くらい経てば安定してくる」という話を、回りくどく言うとこういうことになるのではないだろうか。

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