2007年7月5日

ニス


ニス、ワニス、ヴァーニシュ・・・どれも意味は同じのようだ。
varnish→ヴァーニシュ→ワニス→ニス
と変化したと言う説も聞いたが、真偽は分からない。

ヴァイオリン族の塗装には、家具等の塗装とは違った側面がある。塗装の耐久性を考えれば、固いニスの方が耐磨耗性で有利だ。しかし、固いニスを塗り重ねると音響に影響があるのだろう。楽器には少し柔らかめのものが用いられるようだ。

筆者は、シェラックをベースにしたアルコールニスを、修理やタッチアップに用いている。特別なこだわりがあるわけではないので、それほど特殊なレシピではないと思うが、数種類の天然樹脂を組み合わせて使う。その都度調合するのは不合理なようだが、アルコールに溶解したシェラックは、半年以上置くと古くなって乾燥に問題が生じる可能性が有る。筆者の所は使う量もそれほどではないし、樹脂のまま保存しておいて、必要な時に溶かして使う方が便利なのである。

これら天然の樹脂のかけらを見ていると、不思議なものだと思う。化石化したもの、半化石化したもの、全く化石化してないもの、強い匂いの有るもの、無臭のもの・・・先人達が探し出した様々な天然の樹脂を溶媒に溶かして塗るのだ。木材を加工している時もそうだが、この様な樹脂を取り扱う時も、積み重なった時間に敬意のようなものを感じるのである。

ニスについては、もっと詳しく語られているサイトも有るので、興味のある方はそちらもごらんになってはいかがだろうか。

ヴァーニッシュと天然樹脂 http://www010.upp.so-net.ne.jp/varnish/

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