2007年7月12日

サドル


サドルには、テールガットを通すための溝が掘ってあるものと、そうでないものがある。この溝の機能は何であろうか。

溝があるものでは、テールガットを納める時に位置が決まるため何となくすっきりする。ズレにくいのも確かだろう。しかし、溝の無いタイプで、テールガットの位置がずれたという話は聞いたことが無い。筆者が聞いたことがないだけかもしれない。ただ、やろうとした方ならご存知だと思うが、弦を張った状態でサドル上のテールガットの位置をずらすにはよっぽどの力を加えなければ出来る事ではない。位置決めの機能としての必要性は薄いように思う。

モード・チューニングの観点からは、溝が掘っていないものの方がやりやすい。サドル上のテールガットの間隔を変えると、テールピースの共振ピッチを変えられるからである。テールガットの長さ調整だけでは、望みのピッチが得られない場合、サドルの溝が無ければテールガットの間隔で調整できる場合があるからだ。もちろん溝があってもこの操作は可能だが、溝が無い方が自由度は高い。

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