2007年8月31日

ハイ・サドル(続き)

ハイ・サドルは、本来のサドルより高さが高いため、弦の張力に負けて駒の方に倒れてしまうことがある。この時ハイ・サドルの一部が表板に当っていると、その部分を押しこんで表板を傷つけてしまう。

ハイ・サドルが倒れるのを防止する方法としては、サドルをエンドピンに向けて延長し、サドルとエンドピンの間のテールガットの張力を利用する方法や、エンドピン方向に延長した部分をネジで固定する方法等があるようだ。

テールガットの張力を利用する場合、テールガットの張力はエンドピンに対してほぼ直角になってしまう。通常のサドルを使用している場合には、テールガットの張力は、エンドピンソケットをエンドブロックに引き込むような方向にもかかっている。しかし、ハイ・サドルでは、この引き込む力が無くなってしまう上、サドルが駒側に倒れると、テールガットを介してエンドピンソケットを引き抜く方向に力がかかることになる。ハイ・サドルの導入にとっても、エンドピンソケットの嵌め合いは重要なのである。

Jeff Bollbachは、自身のホームページで、ハイ・サドルによって傷つけられた楽器を多く見ていると書いている。そして、ハイ・サドルに代わって、ダウンスラストを減らす方法の提案もしている。

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