2007年10月5日

駒の高さを増やす

駒は調整して行くうちに、低くなって行く。
削って調整するのだから、低くなるしかないのである。新しい駒に交換する以外にも、駒が気に入っていれば、何らかの材料を足して使い続けるという選択肢もある。良質の材料を使った駒は高価だということもある。

以前紹介した、駒の足裏に材料を足す方法はその一例である。この場合は、表板へのフィットが必要になる。表板のフィットが悪く、削り代が足りない時は、この方法しかない。足の部分の厚みが少ないと強度が落ち、足裏の面積が減るのと同じ事が起きてしまう。

アジャスターのついていない駒の場合には、あらたにアジャスターを付けることで、駒の高さを稼ぐ事が出来る。これはアジャスターを延ばして高くすると言う事ではなく、アジャスターの厚み分駒の高さが増えるためである。

アジャスターのついた駒の場合には、アジャスター部分に材料を足す事ができるので、表板へのフィットにも影響がない。この場合には、アジャスターのネジ側を増やすか、反対側を増やすか2通りの選択肢がある。いずれにしても、アジャスターの軸の平行を保つための精度が求められる。

これらの方法を用いて駒の高さをあげる場合には、左右の脚の長さを変えられるという利点がある。しかるべき注意をはらって作業すれば、表板上の駒の位置を理想的な位置に保ちながら、指板に対する弦の位置を調整できる。

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