2007年10月25日

レイズド・テールピース(続きの続き)

果たして、テールピースにスペーサ―を入れることによって、本当にダウンスラストは減らせるのだろうか。

ハイ・サドルで、ダウンスラストが減るのは間違いない。テールガットが固定される一方の端(サドル)の高さを高くしているからである。しかし、テールピース+スペーサでは、そうは言えないのではないか。先に実験したところでは、確かに楽器の調子は良いし、音の変化はハイ・サドルによってもたらされる変化と同じ傾向の様に思えた。そこで、その時には、ダウンスラストが減ったものと考えていた。しかし、本当にダウンスラストは減ったのだろうか。

スペーサでダウンスラストが減るかどうかという問いは、図のaとbで、弦と駒のなす角が変わるのかどうかという事のように思う。こうしてみると、どんな高さのスペーサを入れてもテールピースのサドル側が飛び出てくるだけで、弦と駒のなす角は変わらないように思える。Bollbach氏の考案に関して筆者の理解が浅いのかもしれないし、何かやり方が違うのかもしれない。

他の作業や楽器を使う都合もあり、直ぐにはもとに戻して確認できないが、音に対する影響はともかく、スペーサのダウンスラストへの寄与については疑問がある。

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