2008年2月16日

夏魂柱?冬魂柱?

表題は、夏駒と冬駒という言葉にかけて言っているため、一般的な用語とは言えない。

季節によって弦高が変動するのに対応するため、多湿季と乾季で夫々に駒を用意して(夏駒・冬駒)使い分ける場合があるようだ。アジャスターがあれば弦高の変化に対応する事は、比較的たやすいが、弦高を変える事は、駒の高さを変える事だから、楽器へのテンションのかかり方が変化する。大きく弦高を変えるときには、それに伴って他の調整をしたほうが良い場合もあるかもしれない。

ところで、弦高だけでなく、季節によって適切な魂柱の長さも変化している。通常は湿気の多い時期には、長い魂柱が必要になる。従って、秋冬等の乾燥期に、魂柱が長く感じたからと言って、単純に短くできないのである。湿度が高い時期にフィットするように調整されているのかもしれないからだ。楽器にもよるが、この長さの変化は結構な量で、加工したくなる位の量だから、位置の調整で対応するのも躊躇する所である。それに、魂柱調整の本来の目的とは全く別の理由での移動だから、出来れば避けたい。何のために移動するのか本末転倒になってしまう。

もし、年間を通じて、楽器のコンディションを良い状態に保ちたければ、魂柱を2本用意して、季節によって使い分ける事が必要となるだろう。夏冬で駒を替えている場合には、駒の交換と同時に魂柱も交換すれば良い訳だから、それほど非現実的な手間ではないのではなかろうか。

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