2008年3月16日

楽器の埃


年月と共に、コントラバスの中には、結構な埃がたまる。

おが屑や小さく切ったサンドペーパーが入っている事もあった。綿埃は、何時しか楽器の中で丸くなってマリモのように成長する。

コントラバスの場合には、楽器を立てた状態の時に埃が積もっているような気がする。フラットバックの場合には、クロスバー上の、立てた時に上面になる面に、障子の桟に積もるように溜まっていることがあるし、アッパーバウツよりロワバウツに埃が多い。特にエンドピンブロックの周辺は溜まりやすいようである。他の場所に積もっても、楽器を弾く時に振動で下の方に落ちるのかも知れない。

埃は楽器の隅に溜まりやすい上、湿気を呼びやすい。楽器の隅は、多くの場合接合部分だから、膠による接着部分に湿気を呼びやすいという事になってしまう。まあ、それほど目くじら立てるほどでも無いかもしれないが、あまりにも溜まっているようだと気分が悪いのである。

やったことはないが、ヴァイオリン等では、炒って乾燥させた後冷ました米を楽器の中に入れて振り、掃除することがあるようだ。炒った米は、以前は塩の容器に良く入っていた。ともかく、これも実際にやるとなると、相応の技量が要りそうである。それに、コントラバスの場合には、楽器を効果的に振るのが難しいと思うし、最後の一粒というヤツはなかなか出てこないと決まっている。
 
中に埃が溜まっていれば、無理の無い範囲で取るようにしているが、柔らかい素材のパイプを介して吸引する事もある。普通の掃除機は、あなどれない程の真空度になるため、そのまま使うのはとても危険であろう。f穴周辺は破損しやすいし、楽器の中に何かを差込むとなると、ラベルを傷つけたりする事だってあるからだ。通常は、何かのメンテナンスの折に、楽器屋に頼むのが賢明なのではなかろうか。その程度の頻度で十分だし、取るか取らないかは、楽器屋によっても判断があるだろう。埃を放っておく方が、無理に取るよりリスクが低いことも考えられるからである。



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