2008年5月9日

N氏の楽器6---駒(つづきのつづき)


アジャスターの再インストールが終了し、左右のアジャスターの軸が揃った。

筆者は初めて取り扱ったが、ご覧のとおり、このアジャスターは、ピックアップになっている。ピックアップとして機能しているのは、E線側のアジャスター、つまりバスバーの側だけである。

Fishmanのマニュアルを見たところでは、ピエゾの働く面はアジャスターの上面だけで、ここの密着度が重要だと書いてある。もっともピックアップの機能が無くても、アジャスターの上面と駒の脚が密着していなくてはならないのは同じである。一方、アジャスターの下側の面(ネジの切ってある側)は、駒足から離れていなくてはならない。つまり、アジャスターの回転が止まるまで下げてはいけないということだ。目一杯下げたからと言って、どこかが壊れる訳ではないが、音に悪い影響があるということである。従って、ここにクリアランスができる様に、あらかじめ配置を考えておく必要がある。

Fishmanのマニュアルには、もう一つ記述があり、左右のアジャスターの軸は互いに平行でなくてはならないが、この軸が駒の厚みを2等分する線の方向にインストールする事を推奨していた。これはアジャスターの機能ではなくて、ピックアップとしてより有効に機能させるための項目として書かれていた。

ピックアップの無いアジャスターの場合、筆者の考えでは、アジャスターの軸方向は、着ける駒のセットアップやアジャスターに対する考え方に依存するのではないかと思う。駒のテールピース側の面が、表板に直角になるようにセットアップされている駒も有れば、少し角度を着けている駒もあるからである。

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