2008年7月12日

ネックのピッチ(エクステンションと5弦)

電波塔の例え話では、ネックの振動を妨げない方が楽器の鳴りには良いのではないかという話を紹介した。

しかし、かと言って、ネックがグラグラでは良い結果は得られるはずがなく、ボディとはしっかりと接合されていなければならないようである。本体には固定されているが振動は妨げない方が良いと言う事になると、電波塔の例え話では説明は難しいのかも知れない。

このことに限らず、筆者の場合には、理論の証明よりは、テストして良い結果が得られる事が重要である。電波塔の例は、ナット上の弦間隔の話に関連して出てきたが、現実には、ナットを新しくすれば、弦間隔以外にも材質やフィットなども変化するから、弦間隔の寄与だけを取り出す事はできない。弦間隔に注意して新しいナットを作ったとしても、入れ替えて弾いて見て、その結果で使うかどうかを判断すると言う事である。何を良いと思うかについては主観が入ると思うが、それはある程度は仕方ないし、最終的には楽器の持ち主に判断してもらうしかないと思う。

他にも、モード・チューニングのような事も、結局、良い結果を探すための指針なのではなかろうか。楽器はそれぞれだから、理屈通りにピッチをセットしても、本当にベストの位置なのかは疑問が残る。ある程度範囲をとって、調べることも必要なのではないだろうか。

こういうやり方では、手間や時間は余計にかかる。技量が高く経験が豊富な技術者であれば、より短い時間でより高いクオリティに到達出来るのかも知れない。残念ながら筆者の場合は、ゆめゆめ時間を惜しんではならないということのようである。

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