2008年8月7日

パテ?


リブのエンドブロックの合わせ目の所が浮いていた。

ちょっと見は分からないが、裏板との間も剥がれていた。浮いた個所を綺麗に掃除して、付け直せば良いのだが、どうもリブの合わせ目が変である。後から塗られたニスを少し削ってみると、その下は白いパテ?で埋められていた。パテ?は、市販されている家具製作などに使われる(筆者は使わないが)ものに似ていて、膠のように温水で綺麗にはならない。パテには水性のものもあるが、大抵は乾燥すると水には溶けないからである。

こうなると、少しずつ物理的に取り除くしかない。数秒で埋めたのだろうが、取り除くのは数時間である。しかも、この楽器は、リブの合わせ目が直線でなく、隙間が均一でない。これがオリジナルの状態とは考えにくいし、裏板とリブの接着の状態から推測すると、以前の修理で裏板を外した時に、リブの周長を短くするような操作が行われ、その時に不均一になったのかもしれない。この楽器はラウンドバックで、センターにインレイを入れるのが難しいから考えられる事だ・・・と想像は膨らむが、パテ?は、物理的に取り除くしかない。パテ?は隙間を埋めているだけでなく、周辺のリブの表面にもついていて、その上にニスが塗られたりもしている。均一でない隙間に合わせて何種類か真鍮板をカットして、少しずつ取り除いた。右の写真は一通り綺麗になった所である。

リブをニカワでつけた後、ニスのレタッチをしたが、残った隙間はそのままにした。状態から見て、次のオープンリペアの時に、エンドブロックは交換されるだろうから、その時に間をつめる方が得策なのではなかろうか。

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