2008年11月27日

時間

目にもとまらぬ熟練職人の技・・・とはいかないので、筆者の場合には、クオリティ相応の時間が必要である。

ヴァイオリンの魂柱パッチなどでもフィットに半日や1日はかかると読んだ事がある。コントラバスの駒の足裏は片方で4.5cm×2.5cm程度、ヴァイオリンの魂柱パッチの大きさは、大雑把に言って5cm×3cm位と言うから、実感に近い感じがする。Jeff Bollbachも、例えば魂柱をフィットさせるにはそれなりの時間がかかると書いている。世の中には凄い人がいるから短時間でのフィットを否定する事は出来ないが、筆者の場合にはどうしてもある程度の時間が必要である。

作業の良し悪しも目に見えれば良い方で、接着面が密着しているかどうかは外からはわからないし、魂柱のフィットも鏡がなければ外からは見えにくい。しかし、修理のクオリティは音や耐久性にに影響があるだろう。手抜きしても結果が良ければ文句はないのだろうが、世の中なかなかそういう上手くは行かない。良いセットアップ同様、マズい修理もそれ単体では、音への影響は小さいかもしれない。しかし、やはり、それは積み重なる。結局弾き手の悩みが深まるだけでなく、後に修理する人間に尻拭いさせる事にもなる。結果として楽器の状態が良くなったとしたら、それは地味な時間の積み重ねの成果と言えるのではなかろうか。

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