2008年11月28日

ペグボックスのチーク


個人的にコントラバス七不思議にカウントしている一つがペグボックスとネックの境である。

コントラバスやチェロでは、ネックの巾よりペグボックスの巾が大きくなっている。ペグボックス内を広くしたいためだと思うが、木の繊維が通っていないため、本質的に弱い場所である。ヴァイオリンでは、ペグボックスの巾はネックと同じなので、ネックからペグボックスまで(木取りが正確ならば)繊維が通っていて、これなら納得がいく。

しかし、筆者の納得がいこうがいくまいが、コントラバスはこのように作られて、しかも十分実用になっているのだから、世の中そういうものだ。とは言え弱い場所だから、トラブルが起こる事もある。

写真は、この部分に起こる典型的な割れで、ひどい場合にはここからスクロールごと取れてしまう。今回のケースは、割れも途中で止まっていて比較的軽傷であるが、弦を張った場合には少したわんだ感じになる。こうなると音もしっかりしなくなってしまうし、この状態が続けば割れも進行するだろう。

全てのテンションを取り除いてから割れた部分を洗浄し、ニカワを入れて接着する。さて一安心?だろうか。ペグボックスには弦のテンションが4本分全てかかっている。ニカワの接着力は強力だから耐えられるだろうか?

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