2008年12月16日

クロスバー


フラットバックの楽器では、クロスバーの端が剥がれる事がある。

ラウンドバックの楽器では、そもそもクロスバーが無いからこの手のトラブルとは無縁である。クロスバーには裏板の伸び縮みによるストレスがかかっているために剥がれやすい。クロスバーが剥がれると、ノイズを出したりするが、音の点でも少なからず影響があるようだ。

クロスバーは極力乾燥した状態の時に付けた方が良いとされていて、これは裏板の動きによらず圧縮方向の力だけがかかるようにするためのようである。通常の使用状況で最も乾燥した状態よりさらに乾燥させた状態で接着するのが望ましいと言う事になる。このケースでは剥がれは端の方だけであったので、あまり意味が無いかもしれないが、一応の乾燥は行った。

以前f孔から入れて中で組みたてるタイプの圧締具を紹介した事があるけれども、今回は表板との間に棒を突っ張って圧締した。シンプルではあるが、棒の長さの調整が多少手間かもしれない。この方法では外側からの固定も併用した方が良いように思う。写真にはリネンパッチでの補強も写っている。

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