2009年2月4日

楽器の中心


シムのあと、指板のドレッシングを行ったところである。

仮に駒を乗せて位置を合わせ、指板と合うように駒の加工を進める。指板の方向に対してスクロールが別な方向を向いているのは、先に指板の方向を修正した結果で、継ネックをする日まではこの状態で置くより仕方がない。指板の方向を楽器のセンターに向くように修正したが、そもそも楽器のセンターとはどこだろうか。

スクロールから指板の先を通って、表板のセンターを通り、サドルの中心からエンドピンまで、完全に直線であるのが理想なのかもしれないが、コントラバスの場合はそうでないことが多い。さらには、表板と裏板のセンターシームもそれに一致していれば、気持ち良いことこの上ないのかも知れない。しかし、そもそもセンターシームが左右のf穴のセンターに来ている場合ばかりではなく、製作の精度や経年変化などで、ずれていることもしばしばのようである。楽器自体左右非対称に作られている場合もあるし、センターシームとエンドブロックの中心が合っていないこともある。

楽器の中心が分からないとしたら、駒を置くときに困る。沢山の楽器を見ている経験豊富な人なら勘に頼れる部分もあると思うが、。筆者の場合は基本的にはf穴を基準にして、センターシームも参考にするくらいである。結局はその時その時で判断する(悩む)ということになってしまう。

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