2009年2月22日

原因と結果


弦高が高いので弦高調整を、というお話であった。

それならということで楽器を拝見したら、弦高が尋常ではない。何か原因がありそうな高さだったので、調べると、指板の接着が浮いていて、指板とネック共に反っている状態であった。弦高が高いのはその結果のようである。指板は、弦のテンションに対抗する構造材の役割も果たしているから、浮いていればネックは弦のテンションに負けてしまう。

結局、ネックを修正してシムを入れることになった。類は友をのような感じである。この楽器の場合は、ネックの材料が新しいものだったので、シムとの境は比較的目立たなかった。シムや指板の接着は、面積が広いのでのんびりとやるわけにはいかない。工房の掛け時計には秒針がないので、この時ばかりは、秒針の付いた時計を用意する。今回の楽器は、肩の当たりからネックの付け根に至る裏板の角度の問題で、あて木を新たに製作した。ひとたび膠をかんでしまえば、最初からやり直しになってしまうので、プレッシャーがかかる。キリキリしているので、この手の作業のときは妻は寄ってこないか、間違ってやって来てもすぐに引き返してしまう。

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