2009年5月1日

チューニングマシン・チューン


今回のイタリアンのチューニングマシンは、何度か交換されたようで、複数回のブッシング跡があり、チューニングマシンの跡を埋めた所もある。今ついているマシンもそれほど悪いものではなさそうだが、オーナーの方はマシンの交換を希望されていた。交換するマシンは、Irving Sloaneのもので、ベースはキャストブラス、ギアの噛み合わせの精度が高く、ガタは殆どゼロである。パテントを取っているのがどの部分かは分からないが、樹脂製のワッシャなどを用いていて、動きはとても滑らかである。

チューニングマシンを交換するには、ペグ穴を埋めてあけ直す必要がある。コントラバスのペグ穴は、テーパーが付いたものと付いていないもの両方あるが、今開いている穴はテーパーありである。テーパーのついたメープルの棒を作って差し込み、接着して埋める。コントラバスの場合は、チューニングマシンの構造からいって、機能の上からは軸にテーパーがついている必然性はないように思う。Irving Sloaneのものはテーパー無しだ。

2 件のコメント:

きゃっつ さんのコメント...

すばらしいチューニングマシンですね。
実はこれには目をつけていたのですが、先立つものがないので我慢しておりました。

とある楽器屋でこのマシンがついた楽器を弾いたことがありますが、非常に滑らかで安定したチューニングに感動した覚えがあります。

一つ欠点があるとすれば、ギアが細かいため弦の巻上げに手間がかかることでしょうかね。

でも、演奏会で最高のパフォーマンスを発揮するならそんなのどうでもよいことです。

yamaguchi さんのコメント...

きゃっつさんコメントありがとうございます。

確かに良い値段ですが、このマシンのチューニングの感触はなかなか他では味わえないですね。おっしゃる通り、ギア比が大きいため、弦の交換時には、ペグをたくさん回さなくてはならないですが、ギアの大きなマシンなら同じ傾向なわけで、軽く滑らかにチューニングできることとのトレードオフといえると思います。

後は、個人的には、ギアの部分のデザインがモダンな感じに思うので、古い楽器などには、雰囲気が合うかどうかというのも重要な要素と思います。エドガー・マイヤーの楽器も素晴らしい楽器だそうですが、これが付いているようですね。