2009年5月5日

スクロールチークの補強


オーナーの方のご希望で、スクロールチークをの補強を行った。

古い楽器などでは時折見かける補強で、この楽器もブッシングの穴が互いに繋がる位になっていたので、補強は適切な判断だったのではなかろうか。ブッシングのあとを綺麗にし、古いチューニングマシンの彫りこみを埋めてから、補強の板を着ける。板を張る前は、継ぎ接ぎだらけのようだが、スクロールチークの厚みに対する彫りこみの深さはそれほどでもないので、強度を損なうような状態ではないように思う。

スクロールチークの厚みが左右で均等になるように補強の板の厚みを調整し、オリジナルの形を変えないように、成形していく。写真では分かりにくいが、下の写真の手前手前側のペグボックスの底の角は、補強板と一体にすると面が大きくなるし、元の面の大きさが分からなくなるので、もともとの面をなるべく残すように作った。この楽器のペグボックスの付け根付近は過去にも何らかの補修を行ったようで、塗られているニスの色が多少違う。以前は、付け根からスクロール付近の色まで徐々にグラデーションされて、色の違いを吸収していたようである。

2 件のコメント:

教授 さんのコメント...

そろそろ2号機のアップがあるのでは,と期待していますが...

yamaguchi さんのコメント...

教授さんコメントありがとうございます。

なかなか書く方が追いつかないので、もう少し先になると思いますが、オーナーの方の承諾を得てから、書いていきたいと思います。お楽しみに。