2009年11月4日

指板のビビり


「弦がビビる」を、もう少し専門家風に言いたいのに、良い言葉が見つからない。「ビビる」が、方言なのかどうかも分からない。
「弦が指板に当たってノイズが出る」と言うべきだろうか。少し長い。

ビビるのは、多くの場合、指板の反りが適正でないのが原因である。今回は2か所でビビるという事で、一か所はネックの付け根付近で、もう一か所はD線の解放の半音上のE♭であった。

E♭の方は指板が原因であった。EとE♭間辺りを境にして、ナット側の方が低くなっていた。E♭を弾けば指板がビビるわけである。E♭と解放の間は通常は弾かないので、この部分が減るという事は通常は考えにくい。原因は不明である。と日記には書いておこう。
逆の状態は良く見かける。指板のハーフポジション近辺は良く使うので、弦の下が掘れて溝になり弦高が高いのと同じになってしまう。指板全体が一定に削らず、溝になった部分だけを削るような修理がおこなわれると、見た目は良くなるがナット側の弦高は高いままなので、かえって弦高が高くなってしまう。

ネックの付け根付近でのビビりは、どうやら弦が原因であったようである。弦が経年変化で、テンションが下がっているような感触だったので、それが原因で指板に当たるようになったようだ。上のE♭のビビりも、弦のテンションが高いうちは目立たなかったのかもしれない。

2 件のコメント:

るいだ さんのコメント...

指板のビビりということで、昨年調整していただいた事を思い出します。
 私の場合はジャズが主なので弦を指板に押し付けるのみならず押し付けたまま横にずらして弾く(左手指で)といういわゆるオカズ的奏法なども多用します。よって指板の消耗も多少は速い気がします。
 そしてビビりがでる度に応急処置的研磨をやっていただいたのでハーフポジション付近がかなり減ってしまい、こちらに駆け込んだ経緯がありました。
 ジャズではピチカート後の「ブィーン」というイメージは音の伸びという感じが出てある程度は良いのですが、それはむしろ弦の特性から来る音色ですので指板が磨耗した時の「ビヨーン」という音は我々でも困ります。
 その際にナットも作っていただき、指板のRも…駒も…モードも…テールガットも…サドルも…素晴らしい調整をしていただいて1年半を過ぎました。まだまだ大丈夫のようです。今後も見守って行きます。

yamaguchi さんのコメント...

るいださんコメントありがとうございます。

楽器が好調のようで、きっと大切に弾いておられるのだろうとご推察申し上げます。大切な楽器のセットアップをさせて頂いて、ありがとうございました。ジャズでもクラッシックでも、プロの方の指板の減る速度は圧倒的に早いと感じます。お仕事ですから当然なのだと思います。

楽器の状態は、弾き込んで良くなる部分と、時間とともに劣化する部分と両方あるように思います。理想としては、一年に一度位の頻度で、楽器をチェックされるのが良いのではないかと思います。変なテンションが溜まっている感じがする時もあります。

時に楽器も人を選んでいると言える位、演奏家と楽器はひき合っていると思います。良い楽器に巡り合われたのも必然だと思います。
ブログの方も今後とも見守って下さいますようお願いします。