2010年2月7日

重い魂柱

5弦の楽器をスチール弦からガット弦に変えたいというご依頼を頂いた。写真は、元の状態を調べている所である。

弦交換だけであれば、単純にナットと駒の溝を弦に合わせて削れば済むが、最初の状態では、楽器の反応が重く、弦高が高いのと相まって体には負荷の高いセットアップのように思われた。単にガット弦に張り替えるのではなく、楽器のセットアップを見直すことも行う事になった。

今回特徴的だった事の一つは、魂柱の材質が非常に重かった事である。材料はマツの一種のようではあったが、比重が大きく、ブナやメープルに近い値であった。魂柱が重いから、直ちに楽器の反応が重くなるとは言えないし、過去の試行錯誤の結果たどりついたのかもしれない。常に正解とは限らないけれども、今回は結果的には、魂柱と駒を変えて、反応の重さは改善された。

また、この楽器では駒の高さが高く、これはネックの角度の問題であった。5弦である上に、駒の高さが高く、テンションの低いガット弦に変える方向性に反しているように思われた。対策としては、ネックのリセットが最も王道かもしれない。もっと言えば、5弦のテンションに耐えるため、バスバーも強力なものに変えられているかもしれない。これらを変えるのは、比較的大がかりになるため、今回は、サドルを高くして、ダウンスラストをコントロールすることにした。

2 件のコメント:

ムーラディアン さんのコメント...

ブログの話題とは異なりますが,先日はケースを手配いただきありがとうございました.

エンジの色もあざやかですし,バス弾きのフィードバックがたくさん入っているよいケースだと感じています.アメリカで人気があるのもよくわかります.

幅も一回り大きくなり,これまで以上に一層注意して楽器を運ぶようになりました.これからもどうぞよろしくお願いします.

火曜日はお待ちしています.電話ください.

yamaguchi さんのコメント...

ムーラディアンさんコメントありがとうございます。

こちらこそありがとうございました。ひとまず安心しました。幅が大きくなったというのは、パッドの厚みの分幅が増えたという事でしょうか。また、使い勝手など、何かご意見がありましたらお知らせください。Mooradian社にフィードバックしたいと思います。こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。

こんな所で何ですが、火曜日楽しみにしております。