2010年3月28日

The Realist

The Realistに関して、気になることがある。筆者はピックアップには、あまり詳しくないが、無知を承知で少し書きたい。

ともかくリアリストは、駒の足の下に挟んで使うタイプのtransducerで、銅箔の間にピックアップ部分(ピエゾ?)が2か所に挟んである。この部分は周辺に比べて厚みがあり、気になるのは、写真のように、駒に押されて表板が凹んだ事例である。ちなみに、このリアリストは、ピックアップ部分が銅箔のものである。

写真のケースでは、リアリストを一旦表裏逆に挟み、次にひっくり返して挟んだようである。表裏逆にしてしまった右上左下の跡はクッキリと、正規の状態で挟んだ左上右下の跡はぼんやりと凹んでいる。もちろん、この程度の凹みは問題ないという考え方もあると思う。割り切ってこのピックアップを使うという選択に、異論を唱えるつもりはない。

ただ、表板にこのような凹みが残れば、次に駒を合わせる時に影響があると思う。局所的に凹んだ跡よりは、広範囲に広く凹んだ跡の方が影響は大きいのではなかろうか。今回のケースは特殊なケースかもしれないが、このような可能性を考えに入れたうえで、使用を判断した方が良いのではないかと感じた。

リアリストには、ピックアップ部分が銅箔でなく薄い木でできたタイプの物が、新しく出されているようである。厚みは少し増えているようで、ひょっとすると表板が凹まないよう配慮されているのかもしれない。

3 件のコメント:

モリ@ベース さんのコメント...

こんにちは。
リアリストと同型式のモノにshadow社(ドイツ)のモノが近年発売されて居ます。
後出しジャンケン的な製品で、G絃側、E絃側の両脚に曳くタイプでプリアンプ駆動デス。
同社にはまたアンダーウッドの後出しジャンケン的な製品も有ります。センサーの数が表裏となり本家?アンダーウッドの倍の4つとの事デス。

個人的には駒とボディーの間に介在物が有る(=伝達効率を阻害?)というのが生理に何となく合いません。

モリ@ベース さんのコメント...

リアリストの発想の元はエレアコのギターで一般的なアンダーサドル(ブリッジ)タイプのピックアップの応用だったのでは?
リアリストの改良型は低音を少し抑えてサウンドをクリアーにしたモノ。
(基本構造は旧型と同じ、製品はどちらも選べるようです。)

発売元のニューヨークのデビッドケイジ工房との共同開発者であるネットスタインバーガー氏は工業デザイナーで斬新なヘッドレスギター/ベースやスペクターベースをデザインし一世を風靡された方。
エレキアップライトベース(EUB)でも斬新な製品をリリースして居ます。
発想がちょっと凡人とは違います。

yamaguchi さんのコメント...

モリ@ベースさんコメントありがとうございます。

色々情報を頂いてありがとうございます。Shadow社のものは、厚みが均一なのでしょうか。今回気になった問題は、厚みが不均一な事によって起こるので、その辺が改良されていれば後出しの意味もあるのかと思います。

似たようなものには、APTFlex Electretというのもあるらしく、こちらはロシア製で、厚みは均一だということです。それでも、厚みは0.5mm位はあるようです。

おっしゃるとおり、駒と表板の間にものを挟むのは、楽器の音に影響があると思います。The realistは、厚い部分で1.3mmほどあります。駒の足のフィットは、0.1mm未満のレベルで加工されます。0.1mmは隙間であれば十分目に見えますから、実際はもっと小さい値になります。ですから、ひと桁厚い不均一な物が挟まると、足のフィット作業自体がナンセンスになる訳です。仮に、挟む物の厚みが均一だったとしても、片足にのみ挟むのであれば、反対側の脚への影響も無視できないのではないかと思います。

もちろん、これらがどのくらい音に影響するかは楽器にもよります。意外に影響が少ないセットアップの楽器もあり得ると思います。
ピックアップを使った状態での音が良ければよいという考え方もあると思いますから、その場合にはあまり気にする必要は無いのかもしれません。

いずれにしても、この楽器には新しい駒を付けなくてはなりません。凹みを無視しても十分な接触面積が稼げるといいと思っています。