2010年5月9日

black bass 6

今回も、軸は止めずに貫通させた。
貫通穴を開ける時は、バリが出て周囲が破損する可能性が高いので、それなりに工夫が必要である。

スクロールチークのサドルの下付近には、割れが入っていて、この部分はピンによる補強を入れた。コントラバスやチェロでは、この部分は、本質的に弱い部分である。この点、ヴァイオリンは合理的で、ネックの幅と、ペグボックスの幅に差があまりないので、材料の繊維が通っている。単純に強度の問題だけを考えるなら、ペグボックスの幅を小さくして、多少なりとも繊維が通っている部分を作るか、E線の巻き取りに支障のない範囲で、ここの断面積は大きく取る方が良いような気もする。しかし、音のためにどの程度の強度が良いのかは、別の問題であろう。楽器は振動するものだから、単に強いというのではだめで、必要にして十分な強度でなければならないのだろう。

楽器の色が濃い分、真鍮の反射が豪華な感じになった。真鍮は磨き仕上げのみなので、時間とともに落ち着いてくるはずである。このチューニングマシンの良い所は、動きが非常に滑らかな所と、バックラッシュが少ない所だ。Irving Sloaneは、ギターの製作家で、ギターのマシンや道具の設計もした人である。なぜ、ベースのマシンを作る事になったのか筆者は知らないが、とても幸運な事だと思う。

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