2010年6月20日

マジーニモデル

どうも今一つ楽器が鳴らないということで、調整をご依頼いただいた。

指板と駒の位置関係があまり良くなく、その原因の一つが表板の陥没であることから、取りあえず、弦を外してテンションから解放した。陥没がE線側なので、中をチェックしたところ、バスバーが剥がれていた。
バスバーと表板は木目がほぼ平行な接着なので、一般にイメージされるよりは剥がれにくいと考えていいと思う。しかし、このように剥がれる場合もある。

バスバーは、一般には、駒からのダウンスラストに対抗するよう反りをつけ、テンションを付けた状態で接着される。反りの強さや形は、人によって様々なやり方があり、一様ではない。
表板が変形してしまったというのもあるが、かなりのテンションで貼り付けられていたバーのようなので、そのまま接着する訳にはいかない。接着面も清浄にできないし、強くクランプする事も出来ない。表板を開けて修理する。

バスバーが剥がれたため、弦からのテンションにより、表板が変形してしまった訳だ。どの位の期間そのままだったのか不明だが、よく持ちこたえたのではないだろうか。

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