2010年7月10日

マジーニモデル3

バスバーは駒の付近まで剥がれていた。

割合に綺麗にはがれているので、その点は不幸中の幸いだった。残りの部分を大まかに取り除いて、残りがグル―ラインだけになるまで薄く削り落とし、最後にスチームで綺麗に掃除する・・・はずだった。
使われているグル―は、スチームでは取り除けなかった。これが今回の殆どの修理に常に付きまとう問題となった。

極端に厳しい条件で使われたり作られたりするコントラバスには、このようなグル―が使われる事があるようだ。どこから極端に厳しい条件と言うのかあいまいだが、要は高温多湿に耐えるように作られているという事である。

もちろん通常のニカワも使われていて、場所によって使い分けられているようである。楽器自体の作りは悪い訳ではなく、作られた国の環境によるものであろうか。日本も高温多湿の国ではあるので、適性としては合っているのかもしれないが、修理する場合には面倒な事になる。

製作者は使ったグル―が何か当然知っているだろうし、適切な溶剤もあるのかもしれないが、筆者には分からない。何を使ったか書いておいて欲しい位である。見て分からない自分の問題かもしれない。ニカワなら、共通の認識なので、書かれていなくても問題無い。共通の認識と言えば、楽器の構造には、木を組み合わせるような複雑な仕口が無いのは、こういう事かも知れない。外見から中の構造が推し量れないような仕口は、将来の修理に禍根を残すという面があるのではなかろうか。
とにかく、溶かしてきれいにできなければ、物理的に取り除くしかない。こうなると、根気と時間の問題である。

古いBarを取り除いて、またしばらく置く事にした。

2 件のコメント:

りょういち さんのコメント...

実際にはどのようにしてグルーを除去するのですか?まさか、表板を少し犠牲にするのでしょうか?
もしそうなら恐ろしいですね。

yamaguchi さんのコメント...

りょういちさんコメントありがとうございます。

単純に言えば、グル―の層を削り落すという事になります。基本的には、表板までは削りません。

ただし、今回のケースでは、グル―を溶かしてとる事が出来ないため、厳密に言えば、少しは表板を削る事になります。いかにその量を少なくするかという点に、時間と根気が必要になる訳です。あとは、それが問題になるレベルであるかどうかです。
仮に問題になるほど表板を削らなくてはならなかったとすれば、削った分は補修することになるでしょう。