2010年7月30日

マジーニモデル4


表板はなかなか問題である。

ニカワ以外の接着剤が、何箇所かに使われていて、ダブリングを施すことにした。接着剤を削らなくてはならないのもあるが、全体にリブやライニングと表板の密着が悪いので、この際それも修正することにした。リブと表板の密着が悪いと、薄い膠でつける事は難しくなる。
ネックの入る溝は埋め直されていて、表板にも木が足されていた。この部分も一緒にダブリングする。

コントラバスに限らず、表板は何度も開け閉めされると、どうしても接合部が痛むので、表板を薄く削り、削った部分に新しい木が足されている事がある。ダブリングされた楽器では、表板を横から見て厚みの半分位の所に線が入っている。古い楽器には時々見られる。
今回は、ダブリングと言っても全体に行う訳ではないので、ダブリング様のパッチと言うべきかもしれない。

新しく足す木は、極力元の木と近いものを選ぶ必要がある。出来る事なら、年代も近い方が良いが、なかなか難しい。コントラバスの場合、元の材料も大きいために、修理に用いる材料も、大きな材料が必要になる。

コーナーの欠けは、ダブリングのついでに足す方法で補修する。新しく足す木の一部に厚みを残し、コーナーを切り出す。

バスバー側の陥没については、さらに放っておく事にした。

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