2010年9月26日

マジーニモデル10

表板を戻す。

補修の漏れがないか確認し、少し剥がれかかっていたラベルを貼り直して、表板を戻す。

横板は、いかようにでも変形するので、もともとついていた場所に可能な限り正確に戻す必要がある。表板を外す前に表板と横板の関係を測定しておいたのがここで役立つ。100パーセント正確に同じ位置に戻すのは難しいかもしれないが、最大限努力はすべきであろう。

いかように変形すると言っても、横板の周長は一定なので、ある部分を押し込みすぎれば、別な部分が出っ張ってくるといった具合だから、全体としてつじつまを合わせなくてはならない。さらには、ネックの角度にも影響があるから、元の角度になるよう位置を調整する必要がある。もし、ネックの角度を変えたければ、これを利用して、横板と表板の関係が許す限りは変える事が可能である。

表板が戻り、箱になって初めて、弦のテンションに耐える事ができる。「君たちがいて僕がいる」感じである。みんなで担いでいれば耐えられるが、誰かが抜けると途端に辛くなる様なものだろうか。

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