2010年10月2日

マジーニモデル11

足したコーナーや、ダブリング(様のパッチ)を行った部分にニスをかける。無くなったコーナーは、反対側のコーナーの形や、裏板の形を参考に成形した。今回の楽器のコーナーは、はっきりした主張があるというより、どことなく擦れてしまった感じに作られていた。
指板は接着に問題があったため、一旦はがしてつけ直し、その後ドレッシングする。指板の接着には、往々にして問題がある事が多い。本来は、互いに密着するように加工されている必要がある。互いに密着度を高めるために最も簡単な方法は、それぞれの接着面の平面度を高くする事である。
しかし、ペグボックスや、駒の高さとの兼ね合いで平面にできない事もあるので、曲面にせざるをえないこともある。いずれにしても良好な接着を得るためには、互いに密着している事が必要である。

駒を作り、いよいよ音を出す。少し落ち着くのを待つ必要があるので、弦を張って直ぐには判断できないが、期待に背かぬ良い手ごたえである。テンションや弾いた時の反応から、さらにハイサドルを追加する事にした。
ハイサドルの形は、ハイサドル自体にあまり主張させないことを目的に、ボリュームや高さを感じにくいような形を検討した。
この楽器についていたテールピースはかなり大きいもので、駒とテールピースの枕部分との距離が各弦独立に調整できるような仕組みになっている。ただ、今回は、駒とテールピースの距離が近いので、出来るだけこの距離を稼ぐよう調整した。

表板のアーチも殆ど問題無いレベルになったと思う。この状態が長く続いて欲しいと願うばかりである。

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