2010年12月23日

アメリカから来たベース2

チューニングマシンの下は、オリジナルのニスのようである。

楽器のニスは、使われるうちに擦り減ったり、汚れで表面が劣化したりして、痛む事がある。使い込まれた感じになって風情もあるけれども、楽器として使う以上は何らかの補修をした方が良いようである。古いヴァイオリンで良い味になっているものでも、それなりの楽器でそれなりの手が入っているものならば、ニスは修復してあるもののようである。

ニスは、木質を保護するために塗られているから、ニスが無くなると、汗や汚れは木に直接染み込んでしまう。この状態が続けば、その部分の寿命を短くしてしまう。これを防ぐため、リタッチしたり、保護のためのコーティングをしたりする。これは、ニスを塗りなおして、ピカピカにしてしまうのとは違う。オリジナルのニスが多く残っていた方が良いのは確かだ。楽器の経てきた時間を尊重しつつ、楽器を保護するための修理であり、多くの良い楽器ではなされている事のようである。


 例によって、チューニングマシンも手入れした。研磨剤で磨いてしまうと、ピカピカになってしまう。それでは艶が出すぎて、艶消しである。

左がクリーニング後で、右がクリーニング前である。右の方は表面に汚れがあり、緑青の色で少し緑がかっている。一見微妙な差とも思うが、一見した印象に与える影響はあなどれない。何となくボロい感じの楽器に見えるか、何となく古くて良い物に見えるかの差は大きいと思う。

弦を巻く軸は木製で、かなり擦り減っている部分もあった。しかし、まだまだ使えそうなので、擦り減って木地が見えてしまった部分は着色してそのまま使う。軸を固定してあるのは、たいてい釘のようなピンだが、ガタガタなので、真鍮のネジに交換した。

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