2011年2月13日

アメリカから来たベース4

持ち主の方にとって、今回の一番の目的は指板交換であった。

E線の下が平らな指板を、丸い指板に交換する。古い指板は貼りなおしてあり、ネックのと密着は良くなかった。隙間にはニカワではない接着剤が充てんされていたが、充てんされた接着剤の塊とネックの表面との間にニカワの層が残っていたのが幸いして、きれいに取り除くことができた。

指板の素材は黒檀である。黒檀も様々で、妙に刃持ちの悪いものもある。そういう黒檀に当たると、砥ぐ時間が増えて、削っている時間より砥いでいる方が長くなるくらいである。

指板としての機能に問題はないが、削るのは手間がかかる。チークは石灰分を含んでいるがゆえに極端に刃持ちが悪いが、黒檀にも同様なものがあるのかもしれない(これは本当かどうかは分からない)。
 例によって、指板の裏の彫りこみを行って、取り付ける。しかし、ネックの付け根に緩みがあった。ボタン付近には問題が無いので、トリムを外し、ニカワを入れた。しかるべく圧締し、ネックの方向もできる限りは修正する。駒の高さに多少変化があったが、問題となる方向ではなかった。左右方向も多少は修正した。
前の投稿でも書いたが、ネックがブロックから外れかかっていても、ボタンがしっかり付いていれば、弦を張っても持つようである。しかし、音には悪影響がある。特に低温側の弦の音量に影響があるようだ。このトラブルの厄介なところは、弦を外さなければ、緩んでいるかどうかは分からない事である。


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