乾燥した天候が続いている場所では、湿度の低下に注意が必要である。
楽器を置いている部屋が寒く、練習のために暖房をつけるような状況では、室温の上昇につれて相対湿度は下がる。冬の乾燥した日に暖房をつければ、部屋の湿度は簡単に30%台になり、楽器にとって危険な状態になる。
寒い部屋に置きっぱなしにしているだけでも、乾燥すれば危険はあるが、暖房による湿度の低下は急激で大きいので、加湿器を使ったり、ダンピットを使う方が良い。
日本は、夏季と冬季の湿度の差が激しく、楽器はあちこち移動させるものだから、湿度を完全にコントロールすることは難しい。現実的に可能なのは、急激な変化を避けるくらいかもしれない。あまり神経質になる必要はないが、高価なものでなくても良いので、湿度計を備えて湿度がどのように変化しているか、ご自身の中で感覚を把握なさると良いと思う。
7 件のコメント:
空気の乾燥の程度というのは、どのくらいから危険水域と考えればいいのでしょうね。30%台はやばいというかんじでしょうか?ヨーロッパも乾燥していて、今住んでいるアパートの練習室は、大体40%ですね。たまに、加湿器入れたりして50%近くにまで上げてますが、40%でいる時間のほうがはるかに長いかんじです。2台ともオールドの楽器なので、割れにくいのかもしれませんが、今年で5回目の冬ですが、今のところ割れ等の事故はなくてすんでます。新作の楽器のほうが、一気にバリッと割れちゃったりする事例があるように思います。ある程度古い木は、乾燥に対して柔軟性が高いのでしょうか?
12月のアメリカの乾燥といったら、ひどかった。セクションの楽器も3,4台割れたり、はがれたりしていました。僕も普段はあまり使わないダンピットを買ってきて毎日入れてました。たしかにヨーロッパも乾燥するけど、アメリカ北部よりなまだましな気がします。
石川さんご質問ありがとうございます。
相対湿度30%台は危険水域だと思います。自分の感覚を申し上げますと、50%なら上々、40%なら要注意という感覚です。
ただし、楽器が置いてある場所(地方)の平均的な湿度にもよると思います。日頃から乾燥している土地で、その気候に楽器が慣れているなら、40%台でも危険ではないかもしれません。同じ40%でも、日本のように、平均的な湿度が高い場所の方が危険は高いのではないでしょうか。
新作の楽器に対するご意見は的を得ていると思います。木材は、周りの環境に応じて湿気を吸ったり出したりする結果、伸び縮みしています。そして、新しい木ほど延び縮みの量は大きいです。つまり木材は年月を経るとともに、湿度による寸法変化が小さくなっていきます。古い楽器の方が割れにくい感じがするのは、このためではないでしょうか。
この延び縮み問題の解決が難しいのは、湿度による寸法変化に方向性があることです。幅は湿度に応じて変化するのに対し、長さはあまり変化しません。これが木を組み合わせる時に無理が生じてくる根本の原因です。
仮に、表板の左右両側が頑丈な物に固定されていたと仮定すると、湿度が高くなる時は表板は広がり左右を押し広げようとするため表板自身が割れる危険は少ないですが、乾燥すると縮むため、表板は左右両側から引っ張られる事になり、引っ張る力が大きけれ割れに至ります。乾燥が危険なのはこのためだと思います。
アメリカも夏と冬の湿度の差が大きいのでしょうか。ヨーロッパは年間を通して湿度が安定しているのかもしれないですね。万一のトラブルの場合でも、出来ることなら、割れるより剥がれてくれることを祈りたいです。
自分のベースは昨年作られた新作なので、30%台の湿度ですっかり鳴らなくなってしまいました...
このまま季節がよくなればもとに戻るのか、それともバスバー剥がれ等の深刻な状況なのか...
健康診断みたいなモノを受けさせたいです。
初めまして。
いつも拝見させていただいて、楽器の勉強をさせていただいており、感謝いたします。
私は、北海道の東の太平洋側に住んでいます。
40年ほど前に製作されたチロリアンベ-スを使っています(主にJAZZ演奏に使用)
外気温が氷点下20度近くまで下がるこちらの乾燥は、想像に絶するものがあります。
楽器を置いてる10畳ほどの部屋に湿度計を3台設置して湿度管理(夏は除湿器、冬は加湿器を使用)をして来ましたが最近、アナログ式湿度計の大きな誤差に気が付きました。
私の場合、実際の湿度よりも10%ほど高めに表示されてました。
アナログ式よりもデジタル式の湿度計の方が正確に表示してくれる事に気が付いた訳です。
最近の加湿器についてるデジタル式の湿度表示は、誤差が少なくてわりと信用出来ると思います。
以前はアナログ式の湿度計を使って部屋の湿度が常に50%になるように管理していましたが、長年使ってきたエレキベ-スのネックが痩せて指板に打ってあるフレットが指板の両側から飛び出てる状態になってしまい、先日工房に送ってフレットを削って調整していただきました。
工房の人もこの乾燥にはビックリしていました。
「これ以上乾燥させたら楽器が壊れてしまいます。どんどん加湿してください。」と言われました。
たぶん実際には30%~40%の湿度になっていたと思います。
今現在、デジタル湿度計に変えて50%を保つようにしています。
コントラバスも良く響くようになり演奏するのが楽しくなりました。
湿度計は、デジタル式を使った方が良いと言う私の経験談でした。
匿名さんコメントありがとうございます。
湿度が低くなって不安もおありだと思います。バスバーが剥がれているかどうかは中を見ればわかりますので、楽器店でチェックを受けるのが良いと思います。
まだ季節が一巡していないような新作であれば、鳴らない原因が魂柱などのセットアップにある場合もあります。
もし、楽器店の敷居が高くお感じになるのでしたら、そのお店で弦を買って交換してもらうついでに、チェックを受けるなどすると見てもらいやすいかもしれません。
ダンピット等で湿度を補いつつ、早めに健康診断を検討なさるのが良いと思います。
小柳@ベ-スさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
デジタル式の方が良いという情報ありがとうございます。確かに海外のリペアラでも、デジタル式を推奨している方がいらっしゃいます。
最初に買った湿度計が、安物である上に古くなり、常に50%付近しか差さないという状態になりました。常に最適な湿度になっているのはおかしいと思って買い換えた記憶があります。今使っているものは、アナログ式ですが誤差は3%位とうたわれているものです。針が動くものが好きなのが理由ですが、機械的な伸び縮みを利用しているものだと思いますので、経年劣化は避けられないのかもしれません。
エレキベースのフレットの飛び出しは、木の伸縮を表す非常に良い例ですね。一般論としては、木材は幅方向に1%程度伸縮すると言われています。コントラバスのロワバウツの幅は60cm位は十分にありますから、単純に当てはめれば6mmは変化するということになります。実際には、楽器の材料は楽器になるまで相当長い間シーズニングされていますし、柾目に木取りされている事が多いので、ここまでは大きくないかもしれません。
高山に居たころ-15度というのはありましたが、北海道の寒さと乾燥はいかばかりかと推察します。いつも読んでくださってありがとうございます。
丁寧なご回答ありがとうございます!
そうですね、勇気を出して楽器屋さんに相談してみます!
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