2011年4月13日

セルフネックのコントラバス5

Cバウツの裏板と横板は着いてはいるが、合成系云々が充てんされている状態である。

これも取り除くしかない。この部分には魂柱が乗るクロスバーがあって、その下の隙間にもしっかり合成系が入っていたので、クロスバーも少し剥がす。剥がしたクロスバーの奥の方はニカワだった。

どうせならと、進めていくうちにかなりな長さを貼り直すことになった。それでも完全には取り除けなかったが、接合部が密着すると気持ちが良い。(写真(上から二番目)はクリーニング前)
しかし、ちょっと問題が残った。先のネックの所でも触れたように、横板がフリーになると、ヘナヘナして元の位置に戻すのにはそれなりの配慮がいる。

この部分も再度接着する前に、横板の配置を試してみたが、どうしても少し裏板が余ってしまう。よくよく裏板を見てみると、余る部分に木が足してある。そういう目で見てみると、足してある部分は少し不自然な形になっている。このことから、木が足してある部分は余って正解という事にして、接着した。

最初の状態で、隙間が接着剤で充てんされていた時には余ってなかったのが不思議だ。ともかく、余った部分にはニスを塗り、持ち主のかたに見ていただいてから、必要に応じて修正していくことにした。

さて、リセットしたセルフネックは、十分な角度に戻ったが、テンションをかける前に、まだやることがある。

ネックの付け根と表板が当たる部分は、以前の修理で木が足されていた。しかし木の使い方が悪く、強度が無いため、足された木は弦のテンションでつぶれて隙間ができている。この部分は、弦のテンションを表板に伝える重要な部分で、ボタン側をいくら修理しても、ここが持たなければ、ネックは再び下がってしまう。セルフネックの楽器だから、うめ木が横から見えて不思議な感じがする。オリジナルの状態では、表板はうめ木の分長かったのかもしれない。


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