2011年5月1日

東欧から日本にいらしたの?

 もし楽器の中に何か書いてあったら、一応持ち主の方にお知らせする。

自分の楽器の中に、何か書いてあったら知りたいと思う。時代のある楽器なら、昔に想いを馳せることもできるし、自分が楽器をあずかって来た中の一人で、次の人に引き継いでいくという事も実感できる。

表板の裏側に書いてあるときには、鏡に映す事になるので、読みにくい。写真に撮って反転するまでは、アルファベットでは無いような気もした。

内容がどこまで正確なのかは、鑑定家によるしかない。私は鑑定には素人だから、持ち主の方には書いてあったことを伝えるだけだ。ただ、名のある楽器でなければ、敢えて嘘を書く理由もないとも思う。仮にこの記入自体がオリジナルでなかったとしても、ラベルが痛んだ等の理由で、内容が書き写されたかもしれない。

チューニングマシンから始めた。このマシンには、大きな故障は無かった。左がクリーニング後である。使い込んだ感じが残った方が良いと思う一方、汚れが残っていると、汚れの下がさびていても分からないので、汚れの部分は落とした方が良いと思う。汚れと味の境目はどこなのかが難しいが、機械として正常に動作するために必要な事はやるようにする。歯車の歯の間には、オイルやワックスとホコリの混ざった物が詰まり、ウォームとの摩擦を大きくしたり、かみ合わせを悪くしたりする。この詰まった汚れは思いの外固い事が多い。

チューニングマシンがオリジナルかどうかは(私には断定できないけれども)、ネジ穴やスクロールへの彫りこみが現状のものと一致していれば、オリジナルの可能性は高くなる。ネックから先全てが交換されていれば別だが、マシンだけをつけ直すには、ネジ穴を埋めなおしたり、ブッシングしなければならないので、跡が残る。この楽器にはそのような跡は無かった。

2 件のコメント:

石川滋 さんのコメント...

いらしたの? って… (笑) いらしちゃったんだ?わはは

yamaguchi さんのコメント...

さらに言えば、わざわざ宮崎までいらして頂きました。時代や地域を超えて日本にある事を思うと、不思議な感じがします。
表題は、もちろん、"東欧から"の部分がテーマです。(笑)