2011年7月11日

湿度にご注意を

すでに時遅しだが、今年の梅雨は雨が多かった所もあり、当方にも複数の楽器が持ち込まれた。
確かに、当工房でもかなり意識的に除湿しないと、湿度が高くなりすぎる傾向であった。

冬場の乾燥に気をつけるのと同様に、多湿にも注意が必要である。コントラバスは大きいのでタフだと勘違いされやすいが、ヴァイオリンと同じである。湿度が高い環境に長時間置かれると、ニカワが柔らかくなって、条件によっては接着面が開いてくる可能性がある。

一度乾燥された木材では、水分を吸いこむ速度より水分を吐き出す速度の方が早いと言われている。乾燥する日があればあまり問題ないが、ずっと雨続きだと問題が起こる可能性がある。接着面が剥がれる他に、カビが発生する事がある。ソフトケースの内側表面を良く見て、斑点のようなものがうっすらと見えたら、カビの可能性がある。そうなったら、ケースはアルコール系の消毒剤で拭きとり良く乾燥させる。楽器は、ニスを痛めるので決してアルコールで拭いてはいけない。

単純に乾燥と多湿を比べれば、乾燥の方がより深刻と言われる。これは単に、板が割れるより接着面が剥がれるだけの方が故障としては軽度だからである。

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