2011年9月13日

弓の構造

弓の中はどうなっているだろうか。毛はどのようにして留められているのだろうか。
リンクの図中にいくつかの訂正がある。しかし良く描かれている図だと思う。

Don Reinfeld, Bow Maker / Detailed illustration of a bow (http://www.drbows.com/diagram.html)

図示されているのは、ヴァイオリンの弓だが、コントラバスのジャーマンボウでも本質は同じである。面白いのは、毛の束が2回折り曲げられてplugで固定されている事で、何度見ても何度手にしても、本当に良く考えられた仕組みだと思う。狭いスペースの中で確実に毛を固定する方法には感心するしかない。もちろんPlugを正しく作れるだけの技量は必要になる。

図を見れば、弓がいかにスペース的にギリギリの所で作られているか分かる。Tipでは、弓先が細くなるのに、plugの穴は広くなる。Frogでもplugの穴を深くしすぎればeyeletと干渉してしまう。木工としてみれば安全率は低い部類ではないか。それでも作者の配慮が行きとどいた弓では、それぞれのスペースの取り合いが考えられていて、一筋の安心感がある。毛替えのしやすさも、配慮された弓とそうでない弓では全く変わってしまう。

弓の中にも世界があり、ディティールに入っていけば無限の広がりがある。その縁に立って、その表面をひっかいているだけだと思い知らされる。

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