2013年2月4日

アンダースライド

フロッグのアンダースライドが変形して破損している弓を拝見する事がある。後ろ側だけでなく、前側の事もある。アンダースライドの変形に伴い、黒檀部分も割れているのが普通だ。何故このような破損が起こるのか全く分からなかった。

Paoloさんのブログでその原因の一例が紹介されていた。リンク先記事の一番下の写真がそれを表している。毛替えでフロッグにプラグを入れる時、フロッグを直接台の上に置いて行うと 、アンダースライドに力がかかり、このような変形を起こしてしまうという。

Paolo Sarri
http://www.atelierdarcheterie.com/blog/blog_eng/Articoli/Dangerousreahairings.html

フロッグはスティックからはずすと、アンダースライドのエッジが露出してしまう。アンダースライドは薄い金属で、その下の黒檀は端に向けてさらに薄い。
フロッグからはアイレットが突き出ているので、平坦な面に安定して置くことはできない。一般には、スティックの一部を模した台の上に載せるなどして、アンダースライドのエッジに力がかからないようにして作業を行う。
このような配慮なしに毛替えをするのは想像を超えていた。