2013年4月21日

ネック

一見しっかりついているようで、弦を外すと緩んでいるネックがある。
一見しっかりついているようで、弦を外してもしっかりついているようで、全く問題無いように見えても、実際は問題のあるネックというのもあった。

以前から拝見している楽器で、弾いてみると決して悪くないが、どこか不満のある鳴り方であった。楽器の作りやクオリティに見合う感じがしない。

セットアップは一通り拝見しているのに、どうしても解決しない。楽器の能力的には必ずあるはずなので、やっぱりネックしかないと決めて、少し長めにお預かり出来た機会に、テンションを開放し、しかるべく状態にしてから、時間をかけて様子を見た。

ネックは一見しっかりついていて、少し力を入れたくらいでは問題無いようだった。タップした音も良さそうだった。しかし、しばらく寝かせているとネックと表板の間が少し開いてきたので、問題はネックであると分かった。10キロ位の力の世界では見えないが、100キロ位の力の世界では問題になるようなつきかただったのかもしれない。

補修してセットアップしてみると、まさに望んでいた状態になり、ようやく本来のスタート地点に立てたように思う。偉そうなことは言えないが、楽器を寝かせて置いておく時間は、無為に過ごしているようでいて、大変重要なプロセスではなかろうか。