2015年3月23日

古い弓のスクリュー

ボタンのスクリューが弓の中で折れることがある。

折れて内部に残ったネジを上手く取り除けない場合、フロッグが取り外せなくなり、かなり悲惨な修理が行われる可能性がある。

コントラバスの場合ネジの径が太いので、折れる頻度はあまり高くないのではないかと思うが、修理跡を見かけることはある。

細いものでも直径4㎜あるネジが、何故折れるのだろうか。長く使えば何らかの故障は当然かもしれないが、サビが原因で強度が低下する事はないだろうか。あったとして、なぜスクリューが折れてしまうほどのサビに気づかないのだろうか。

スクリューは、大体において、ワセリンやらロウやら(時には油?)で潤滑されているので、ねじ部分にそれらの物が詰まっている(あるいは詰めてある)ことが多い。見た目で防錆効果を思わせることもあり、これら潤滑材で覆われているためにサビに気づかないことがあるのではないか。

写真でAの部分は、フロッグのアイレットが動く範囲なので、スクリューがネジとして機能している部分である。実際はフロッグを最大限後退させることはあまり無いので、Aの半分くらいが使われている範囲である。使われる部分に関しては、錆びることはまずない。

一方Aの後半は、あまり使われない部分である。Bの部分はネジは切ってあるけれども、スティックの穴の中に隠れている部分なので、ネジとして機能することがない。しかも、常に木質材料に囲まれていてサビが誘発される可能性がある。

これらの部分に溜まった汚れがそのままになっていて、長い間掃除されていないスクリューでは、一見問題無さそうでも、内部で錆びていることがある。特に古い弓では、気を付ける必要があると思う。