2019年5月17日

4 → 5

4弦を5弦にするご要望であった。テールピースにチューニングマシンを追加した。

調弦等を含め比較的特殊なセットアップのため、ナットと駒、テールピースのみの変更となった。一般的なセットアップを前提にすると、楽器の強度や寸法のハードルがあるから、単純にテールピースにチューニングマシンを追加するだけとはいかないと思う。

 この楽器は高価なものではないが、とても大切に使われてきており、30年を経て大変良い感触である。 大切に使うことの大切さを感じる。

2019年3月16日

コントラバスの音で

週末「今夜はEdgar Meyerナイトだ!」と動画サイトを見ながら飲んでいたら、Joel QuarringtonのBachに行き当たって泣いてしまった。言えば色々あると思うが、とにかくコントラバスを通して音楽に触れる心地よさよ。

2019年1月31日

やはりメンテナンス


メンテナンスの重要性をブログに書いた話をしたら、家人は言った。「お前がな。」

機械類の手入れをした。
 
テーブルソーが、いよいよ待ったなしの状態になっていた。アーバーの軸受けはシールされたベアリングなのでメンテナンスとしては交換しかない。
モーターもベアリング交換で済まそうと考えていたが、良いものが入手できたので、この際だから交換した。重い。
リンクベルトはまだまだ使えそうである。ボール盤にも使っているが、良い買い物であった。定番のプーリーのチューンアップは今更なので見送りとした。
今までも十分に調整していたつもりだったが、手入れした後は、切り肌がワンランクアップした。簡易的な機械だからパワーはあまりないが、精度は出たのではないか。

部品を探していて、Unifenceが製造中止になっていたことを知った。現在の標準はBiesmeyerかそのコピーであろう。どちらにするかずいぶん迷ったが、筆者には合っていたと思う。当時left-tiltはまだメジャーではなかった。UnifenceでRight-tilt、集塵の効率も悪ければriving knifeも無しでは、時代遅れの感は否めない。


※テーブルソー(昇降盤)は有用ではあるが、非常に危険な機械である。使用について十分な教育と訓練を受けていなければ使ってはならない。

2019年1月18日

メンテナンス

一通りセットアップされた楽器でも、基本的にはメンテナンスが必要ではないだろうか。

セットアップされた状態は、多くの場合時とともに変化する。かかっているテンションを原因とする楽器自体の変形のせいであったり、気づかないような接触による変化が理由のこともある。駒の部分は、ソフトケースに入れた状態で運んでいて、気づかないうちにぶつけていることがある。もともと弦で押さえつけられているため、ずれても自然に戻ることは無いし、駒脚が広がると元に戻ることができない。

物理的な変化が無いように見えても、セットアップで整えられた後、時間が経つにつれ状態が変化することが多い。弾きこまれ、こなれた感触が出てくる一方で、音の輪郭や音の均一性などは薄れていく傾向になり、サスティーンも短くなるケースも多い。

演奏家によって、こなれて丸くなった状態が理想とされる場合もある。楽器の健康状態に問題が無ければ、その状態を維持する選択も当然にありうる。一方で、故障などのきっかけでメンテナンスを行った時に、「こんなに違っていたのか」と思われるケースも多い。

セットアップの変化は徐々に進むので、普段から多く楽器を弾いていらっしゃる方ほど変化に気づきにくいことがある。
できることなら2年に一度位の頻度でメンテナンスを受けていれば、状態が保たれることが多いように思う。楽器のエッジの破損や、割れや剥がれも深刻な状態になる前に見つかる可能性がある。

マイナスを元に戻すだけでなく、メンテナンス時にセットアップを積み重ねることもできる。 前回の状態を基準にして、理想により近づくチャンスでもある。
 


2018年8月16日

この傷は

3本の平行な傷。どこかで見かけたことがあるような気がする。伺うと、なるほどこれはネコであった。

どの程度の補修を行うかはケースバイケースで、目立たなくする程度であれば、傷で生じたニス表面の段差はそのままになっている。写真では分かりにくいが、 肉眼で傷は見える。
 

同じ傷でも風情のあるものは味わいとなるが、白く目立つ傷は自然に見えないことが多い。傷が目立たなくなるだけでも、印象はずいぶん変わるように思う。

2018年7月14日

最上の音を引き出す弦楽器マイスターのメンテナンス

嬉しくも素晴らしいのは、コントラバスが他の弦楽器と対等に取り扱われていることだ。コントラバスに関する記述内容は、極めて実践的かつ合理的で、よく見られる通り一遍のものとは次元の異なる本である。大判でカラーの版が出ないものだろうか。

さらに素晴らしいのは、巻末に標準的な寸法を数値で与えていることである。コントラバスに関する数値は、現実に即した合理的なものだ。
弦楽器の世界の話だから、人によって標準とするものが一つではないと思うが、だからこそ標準の寸法を数値で示すことは、深い知見と多くの経験がある方でなければできないことだ。

この一点だけをとっても購入する価値がある。体に負荷の高い状態の楽器を、そうとは知らずに弾かざるを得ない学生さんにとっても心強い味方となるはずだ。

園田信博(2017)『最上の音を引き出す弦楽器マイスターのメンテナンス』誠文堂新光社.