2008年1月6日

エンドピンのシャンク

エンドピンを受けるシャンクとエンドブロックのフィットは、エンドピンそのものに比べると見過ごされがちではなかろうか。

お仕着せではなく、素材にこだわったエンドピンを使う場合も多いのに、シャンク自体のフィットがプアなケースがある。 ひょっとすると、何らかの意図があってガタをもたせている可能性も有るかもしれないが、そういうケースは除外しよう。
困るのは、シャンクが正確にフィットされているかどうかは、全ての弦のテンションをゼロにしてからでないと分からないので、魂柱を倒すリスクがあり、演奏者が簡単にチェックできないことである。また、多少のガタがあっても、テールガットがシャンクを引っ張るので、弦を張ってしまえば、ガタのあるなりに固定されてしまい、直接のトラブルが少ないのも問題を見えにくくしているように思える。

もちろん、手段の問題ではなく、シャンクとエンドブロックのテーパーがしかるべく密着していれば、サンドペーパーや紙を挟んで修正してあっても良いと思う。しかし、シャンクに限らずテーパーを使った仕口が、互いに密着しているかどうかは、差込んだ状態で揺すっても分かりにくい。また、きつすぎてもエンドブロックを破損することになりかねない。
フィットのやり方は人によって異なると思うが、筆者のやり方では、サンドペーパーや紙のようにその都度簡単に位置がずれるものをスペーサとして使うのは難しい。写真の例では、シャンクにメープルの薄板を貼って、エンドブロックの穴にフィットさせている。写真には、もともと挟みこんであったサンドペーパーも写っている。

ともかく、エンドピンシャンクとエンドブロックのテーパーは、適正な嵌合度で密着する事によって緊結されていなければ、テーパーという仕口を使う意味は半減するし、エンドピンの素材による楽器の音の変化も不明瞭なものになってしまうのではなかろうか。

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