2008年1月15日

魂柱、材料、調整

魂柱は多くの場合、表板と同じか同種のスプルースやドイツトウヒ等の材料で製作される。合板を用いた楽器の場合にはそれが最適とは限らないようで他の種類の木材を使うこともあるようだ。

しかし同じ素材であっても、さまざまな違いが有るため、選択の余地がある。魂柱の材料は、木目が通直であって2方柾に木取されなくてはならないが、年輪の間隔はさまざまだ。写真左の魂柱より右側のもの方が年輪は密である。

何を選べばよいかを一概に言うことはできないが、楽器の表板や演奏者の好みに応じて、全体の調整の方針と方向を合わせる必要はあるように思う。針葉樹では冬目が硬いので、年輪幅が狭い材料のほうが密度が高い。また、年月が経ったものの方が強度は増しているだろう。さらに、魂柱の直径との組合せもある。

魂柱自体は楽器本体に比べればそれほど高価なものではないが、音に対する影響はとても大きい。できれば手間や時間をかけた調整を依頼したい。調整にかかる費用以上の価値が楽器にもたらされることもまれではないと思う。

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