2010年2月1日

駒とピックアップと魂柱

今回の楽器の駒を新しく製作する事になった。
元の駒では、バスバーの位置に対して脚を適正に配置するには、筆者の感じでは少し小さいように思われた。

駒を製作する時、弦高をどのように配分するかはあらかじめ考えておく必要がある。指板のRを決める時に検討した内容を再度弦高の配分の立場で確認する。今回はアジャスターを希望されていたので、FishmanのFullcircleと単純に入れ替えられるように駒を製作した。アジャスターはアルミ製のシンプルなものを使用した。アジャスターは、左右同量回転させて使用するのが基本なので、位置が分かりやすいようにマークを入れた。

ピックアップはunderwoodで、駒のウイング部分の下に入れるタイプである。脚の方でなくウイングを削ってフィットするが、これも弦のテンションをかけた状態で行う事が推奨されているようである。実はこのピックアップの取り付けが、音に与える影響には興味があったので、何度か付け外しして試奏したところ、若干ミュートに似た効果が表れるようであった。アンプを使わない場合には、外した方がよりフリーな反応になるように感じた。筆者はピックアップに関してはあまり詳しくないので、メーカーの推奨に沿って、取り付けの精度を高めるよう努力するだけである。

今回は、元の魂柱が少し外寄りになっていて、標準的な位置に戻した方が良いと考え、魂柱の製作も行った。オリジナル(?)の魂柱は、細めなのが印象的で、一般には、細くすれば明るくなる傾向である。この楽器の場合はかなり細めだったので、明るい音色になるよう意図されたのかもしれない。新しく作る魂柱は、標準的なサイズにした。もし、これでダーク過ぎるという事であれば、細くできるからである。結果としては、オーナーの方のお好み次第という事になるが、筆者としては細くする必要は全く感じられなかった。

2 件のコメント:

モリ@ベース さんのコメント...

素人の全くの妄想ですが、
駒のウィングの所も響きに影響あるようです。
切り欠いて隙間を開けて有るのも経験則から何らかの意味合いが有るのかも知れませんね。
昔、何かの雑誌(ストリングス?)の記事で、
バイオリンの弦振動は高音弦はバスバー側の脚に、低音弦は魂柱側の脚に×字状にボディに伝搬する。
と有ったかと思います。
よくよく駒の形状を見てみると駒の真ん中のハートの切り欠きを中心に×字状にも見えてきます。
このウィングの切り欠き部分にピックアップを挟むと丁度切り欠きを無くした様にも成るので鳴りに影響がでるのかも知れません。(干渉や伝達効率の問題、ピックアップの重量がミュートに働く?)

ピックアップの取付場所は、個人的にはヤマヒコやフルサークルなど駒脚部分に余り重量の無いものを付けるが一番良いように感じています。
自分は安物の汎用ピックアップ(shadow)を貼り付けていますが、(個人的には)全く問題アリマセン。安くて良い音です。
乱文乱筆、勝手な事をいいまして失礼しました。

yamaguchi さんのコメント...

モリ@ベースさん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、もちろん駒のウイング部分も音に影響があると思います。モダンの駒一つとっても色々なモデルがあり、中央のハートの位置や数、脚の長さなど、本当に難しいものです。高音弦の音がバスバー側の脚に、低音側が反対側の脚に伝わるという話は、私は初耳ですが、振動の中に、その様な要素もあるのかも知れないですね。

確かに、Underwoodを付けると、少しだけ生音に影響はあるのですが、ピックアップを使う場合には、ピックアップの能力が十分に発揮できる事が重要で、結局、ピックアップを通した音と生音のバランスの問題になるのではないでしょうか。
ただ、このピックアップは取り外しが容易なので、どうしても気になる場合には、必要に応じて外すという事で良いように思いました。

駒足部分に付けるものでは、The Realistもそうですね。駒足と表板の間に挟むの方法は、個人的には抵抗があるのですが、これも重量という点では軽いものだと思います。
このピックアップを使っておられる方が、ピックアップを使っていても、基本的にはピックアップなしで良い状態で鳴る事が重要だとおっしゃっていたのが印象的でした。