2011年6月19日

東欧から日本にいらしたの?4

一見ニスが残っているように見えて、実はニスが無いことがある。

手擦れしてニスのような光沢があっても、ニスが無ければ表面から汗を吸いこんでしまう。手でよく触る部分がそうなっていることが多い。この楽器の肩もそうで、クリーニングすると白く木の地肌が出てきた。元の風合いを残すようニスをかける。


 駒や魂柱をセットアップして試奏した結果、ハイサドルにする。サドルを外すと、サドルは以前に外した時に割れたようである。ハイサドルにするので、このサドルは、オーナーの方にお渡しする。表板のノッチも綺麗にする。前に表板を開けた時のピンがかなり際にある。ノッチの奥行きは比較的小さめである。
サドルをとると表板の年輪が良く分かる。ブロックがどのように木取りされているのかも見える。また、横板の厚みがどの位なのかも見ることができる。もっとも横板は、全ての場所で同じとは限らない。


ハイサドルは、少し高めに作って、試しながら下げる。黒檀を少し大きめに木取りする必要はあるが、逆はできないからである。弾いてみて、少し低くした。ハイサドルの形は、いろいろやってきているが、機能としての構造は変わっていない。

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