2014年2月8日

フロッグ製作


フロッグと弓が接する部分は正確に合っている必要がある。

弓を新たに作るときには、フロッグを先に作り、それに合わせてスティックを削ることができる。しかし、既存の弓に新しいフロッグを作るときは、スティックに合わせてフロッグを作らなくてはならない。

一般的な形で作られているアンダースライドが合うとは限らないので、まず銀の板からアンダースライドをスティックに合わせて作り、出来たアンダースライドに合わせてフロッグの木部を作る。

この部分が正確に合えば、フロッグの動きは滑らかになり、がたつくこともない。正確に作られた弓では、ボタンの回転は不必要に重くならない。ただ、使われてきた弓の場合には、摩耗などで弓側の面が正確でなくなっていることがあり、何を重視するか判断を迫られる。

弓の機能上重要なのは、チップとフロッグの関係が正確であることだ。アンダースライド部分を適当に作ると、フロッグがチップに対してねじれた関係でついてしまうことになる。この正確さを守りながら、アンダースライドに合わせてフロッグを作っていくのは手間がかかる。

アンダースライドがついたら、弓のスティックの太さに合わせてスライドの幅を削っていく。新作の弓なら、フロッグをスティックにつけたまま削っていくこともできるが、既存のスティックに合わせる場合は、着けて様子を見、外しては削ることを繰り返す。ジャーマンボウのフロッグの場合は、グリップによっては、指先がフロッグとスティックの境界部分を触るので、面が触っても分からないくらいに一致していた方が、持った感じは良いと思う。

フロッグの幅が決まったら、それに基づいて全体を成形する。外形寸法はプレッチナーモデルを踏襲し、その他は当方の感じで仕上げさせて頂いた。この段階では、見た目もだが重さが重要だ。
最後の方になればなるほど、それまでの作業の積み重ねがあるから、プレッシャーもかかる。

2014年2月5日

the Strad

今月号(February 2014 VOL. 125 NO.1486)のthe Stradはコントラバス特集である。

Trade secretsのコーナーでは、Robertson & SonsのDavid Briggsさんがエクステンション製作の一端を見せてくれている。