2015年5月5日

弓のスクリュー

先の記事と似ているが事情は全く違っていて、この写真のケースは、直ぐに修理が必要な場合がある。

写真のように、スクリューの先側のねじ部分がアイレットの溝より先まで来ていることは、正常な状態ではない。スクリューがボタンから抜けてきている可能性がある。

このような現象は、スティック側の穴の深さがスクリューの全長と一致するように作られている弓では起こりにくいが、穴の深さをどうするかは、作者の意図もあると思うので、筆者がどうこう言う事はできない。

穴が深く掘られている弓では、スクリューがボタンから抜けると、ネジ山でスティックの穴を広げながら入って行ってしまう。穴がそれほど深くなければ、スクリューは穴の底に達した時点で止まるので、破損は少ない。このためスクリューが緩んでいる事が分からず、そのまま使い続けられることもある。穴が深ければ、時にスティックを内側から押し割ることもある。

ただ、写真のような状態でも、修理が必要でないケースもある。 専門家にご相談頂きたい。

ボタンスクリューが緩んでいない弓でも、スティック側の穴が深い弓については、状態に応じてあらかじめ防止策を講じることもある。穴の底を埋め木して、穴の深さとスクリューの長さを一致させる。万一の場合でもスティックが破損することを防げるし、ボタンが軽く回せるようになることもある。

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