素性がはっきりしていて年代もある。魅力的な楽器である。
問題の一つはニスで、楽器の魅力を減じている。現実の修理には費用を始め色々と制約がある。この時点では仕方なかったのかもしれない。
暗くて赤いニスの下はなぜか褐色のパテが薄く盛られている。f孔周辺を中心として、全体に黒っぽいニスもかけられている。アンティーク塗装風にしたかったのかもしれない。
割れの補修はまだしっかりついているので、ニスのみの補修となる。パテ、暗い赤のニス、黒っぽいニスを取り除き、リタッチした。
作業は、オリジナルでないニスを取り除く日々が大半であった。
今回の補修も至らない部分はある。いつか誰かに修正される時がきて、少しずつでも良い方向に熟成されていくと良いのではないか。